ドンドン!!
「こら、うどん。チャイムがあるだろう?」
「あ、ホントだ。・・・見てなかったわ」
「さすがうどんだな」
「え、なにソレ。褒めてくれてんの?」
そば兄弟とうどんは、グダグダ言い合いながら、やっとのことでそうめんの家に着いた。
チャイムがすぐそこにあるのにも関わらず、うどんはそうめん宅の玄関をドンドンと、近所迷惑にも程がある程、叩いた。
「はいはい~」
と、家の中から声がして、ガラガラと引き戸の玄関が開いた。
「久しぶり、そうめんくん」
「・・・うす」
「お久!そうめん!」
「お久しぶりです、みなさん。暑かったでしょう?さぁ、どうぞウチへ」
そばは軽く腰を曲げ、さるそばは右手をかる~く上げた。うどんは、ニカッと笑い、そうめんとむりやり肩を組んだ。
「では。お言葉に甘えて」
爽やかに笑ったそばは、ざるそばの腕をガッシと掴んで、そうめん宅へ引っ張った。
「う、うどん、さん・・・?」
「んぉ~?」
肩を組んできたうどんを、そうめんは恐る恐る見上げた。
「ちょっ、と・・・痛いかなぁ・・・なんて・・・」
「あー、ワリワリ」
ケラケラと笑ったうどんからは、微塵も謝罪の意は伝わって来ない。が、そうめんはなぜか少し照れたように笑っただけだった。


