「ああ、サーセンサーセン。いいッスよ。いくつッスか?」

「一つで・・・。って」

「あれ?!そば?!」

「やきそばさん、知り合い?」

「あーそっかそっか。言ってたもんね、やきそばくん。今度学園祭で屋台やるってねぇ。この子、お友達?」

「うんー。後輩のとんこつー。手伝ってもらってるんだー」

「へぇ。とんこつくんねぇ。よろしくね、やきそばのこと」

「うス!!よろしくされたッス」

「あれ?こないだ、そうめんにも同じこと言われた気が・・・」


 たこ焼きをクルクルひっくり返しながら、とんこつがニカッと笑いそばの言葉に返事をした。

 学園祭に現れたそばの後ろには、リンゴ飴をくわえているざるそばと、片手にチョコバナナとリンゴ飴、もう片方の手にはピンク色のカードが握られていた。


「あれ?ざるそばとうどんも来てたんだ」

「うん。おーい、ざるそばー、うどーん」

「ほいよー」

「むぐっ?!」


 そばは後ろの方でボケーとリンゴ飴をかじるざるそばと、なにか面白い出し物はないかキョロキョロ探し回るうどんを呼んだ。

 突然呼ばれ、驚いたのか、リンゴ飴を喉に詰まらせるざるそば。

 突然呼ばれたが、驚きもせずピンク色のカードを持っている方の手をブンブン振るうどん。

 二人は、そばの方へと歩いて来た。


「おいーっす、やきそばー。おり?屋台?いいねいいねー。買うよー」

「うまそっ、げふっ、ごふっ。りんっ、ご、がっ・・・ごほっ」

「おっ、落ち着いて、ざるそば!」

「あれ?うどんが持ってるピンク色の紙、それなに?」

「おー?これかー?」


 チラッとそれに目を移したうどんは、突然ニヤリと口角を上げ、


「むかーしむかしー」


 昔話を始めた。