「みそくんー」
「ん?」
「このさぁ、これこれ」
「ほうほう」
「分かる?」
「フッフッフ~。・・・んなの、おれに聞くんでねぇ」
「だよね~」
ハハハと、渇いた笑いをしたのは、すこぶる普通の体型、すこぶる普通の顔、すこぶる普通の身長、すこぶる普通の男子、しょうゆ。
腕組みをして、偉そうに胸を張った男子は、みそ。
「はあー。・・・あっ、分かった、かも?」
「おおう?マジで?」
「ん~。ちょっと・・・、待って、ねえ・・・」
机に向き直ったしょうゆが、長い間無言で、難問に取り掛かる。
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「あ。消しゴム、拾っとくべ」
「うん・・・。ありが、と・・・」
「・・・」
「・・・」
無言が続く。続く・・・。
「あの~」
「・・・」
「・・・」
みそが喋りかけても、しょうゆは無視。
「無視?」
「うん」
「え?無視なの?」
「うん」
グスッと、鼻をすすった音が聞こえたのは、気のせいじゃない。


