「冷麺」


 冷麺の部屋に着くと、そばはスッと襖を開けた。


「起きてー」

「・・・」


 声をかけても無反応。


「れーめーん?」

「・・・」


 ゆさゆさと体を揺さぶっても無反応。


「起きろー」

「・・・」


 頭をペシペシとはたいても以下同文。


「起きろっ!!」

「っ!」


 冷麺がくるまっていたタオルケットを剥ぎ取り、そばが大声を出すと、やっとのことで冷麺が目を覚ました。


「もう。どれだけ熟睡してたんだい?」

「んー・・・。んー?」

「あーもういいや。ほら。顔洗っといで。朝ごはんできてるから」

「ん」


 そばはタオルケットをキレイに畳み、冷麺の頭をもう一度軽く叩いて、無理やり腕を引っ張って立たせると、冷麺の部屋を出た。