「こんなとこで寝てたら風邪ひくよ。ほら、折角部屋借りたんだから。そっちで寝なさい」
パンパンと手を叩きながら、そばが肩幅に足を開いて言った。
「ん、ぉ・・・?おぅ・・・」
まだ眠たげなうどんは、首をコキコキ回しながら借りた部屋へと消えて行った。
「ん、す・・・」
こちらもまた眠そうなざるそば。伸びをしたが、まだ寝ぼけ眼のまま、うどんと同じく借りた部屋へと消えて行った。
「ごめんね。折角かけてくれたのに」
畳んだ二枚のタオルケットをそうめんに渡したそばは、眉尻を下げながらそうめんに謝った。
「いえ、全然構いませんよ。私もあんなに気持ちよさそうに寝る大人、久しぶりに見ましたし。見てるこちら側も、眠たくなるほどでしたよ。ふわぁ・・・」
微笑んだそうめんは、言うと同時にあくびを一つした。
「そっかそっか。それじゃぁ、お休み。かわいいウチのコドモが見たかったら、いつでもウチにおいで。待ってるよ」
「はい。ぜひ、行かせてもらいますね。お休みなさい」
いたずらっぽく笑ったそばも、軽くそうめんに手を振ると借りた部屋へと向かった。
「さて」
きれいに畳まれた二枚のタオルケットをそっと畳に置くと、そうめんは「スースー」と寝息をたてている冷麺を、ポンポンと叩いた。
「冷麺。冷麺。・・れーめん。・・・冷麺!」
「ん・・・ぅ・・・・・・スゥ・・・、スゥ・・・」
「・・・・・・はぁ」
冷麺を起こそうとするも、眠りが深いのか、なかなか起きない冷麺。
溜息をつくと、そうめんは、大きく息を吸った。
「スゥ・・・。・・・・・・冷麺っっ!!!!!」


