嗚呼っ、美しきイケ麺’sよ!


「兄貴ー」

「ん?」


 食卓に並んだ空の皿を積み上げながら、ざるそばがそばを呼んだ。


「それって、どれだ?」

「あー・・・。まぁ、とりあえず、空いたお皿、全部持ってきてー」

「おす」


 大きい皿を一番下に、上へ上へと行くにつれて、徐々に小さくなっていく皿のタワーを二つに分け、ざるそばはそばがいる台所へと、一つ目の皿タワーを持って行った。


「これでいいか?」

「うん。ありがと」

「おう」

「じゃぁ、もう向こうでくつろいでていいよ」

「ん」


 シンクへ皿タワー二つを積み上げたざるそばは、大きく伸びを一つすると、だらしなく両手を広げ大の字になって寝転がっているうどんと、自分の片手を枕にして横になっている冷麺のもとへと向かい、自分もゴロリと寝転がった。


「じゃー、私が洗い物するから、そうめんくんは洗ったヤツふきんで拭いてくれる?」

「はい。わかりました」


 ふきんを一枚取り出すと、そうめんは手際よく水滴一滴も残さずキレイに、そばが洗った皿を拭き始めた。


「ゆ、ゆっくり拭いてていいからね?」

「はい。じゃぁ、もっと丁寧に拭きますね」


 手際が良すぎて、サッサと終わってしまうそうめんの皿拭きに追い付かなくなってしまうからか、そばが慌ててストップをかけた。