「ぷはーっ。食った食った!」
「満腹ー」と、張り出た腹をさすりながらうどんが後ろに手を付き、手に体重をかけるようにくつろいだ。
「片付け手伝ってくれる人ー」
そばがキレイに何も残っていない皿を片手に、眠たげな三人に聞いた。
「ん」
「おれ、パース」
「おれも」
ざるそばのみが挙手し、他の二人はゴロンと畳に寝転がった。
「食べた後すぐ寝ころんだら牛になりますよ?」
そうめんが眉根を下げて笑うと、
「おれ、動くもん」
ムスッとしてうどんが言いかえし、
「おれ、太らない体質だから」
冷麺がこともなげにそう返した。
「ざるそばー。それ洗うから早く持ってきてー」
「おう」
冷麺が寝返りを打つと同時に、そばの声が台所から飛んで来た。
「それってどれだ?」


