まだ少し声が上手く出ないまま、あたしはそう二人に聞いた。
林はニヤッと不敵に笑った。
「あのさ、」
「ストーーップ!!」
「こいつ、目、覚ましたと思ったら、『琴奈は!?』って言って飛び起きてさ、走ってここに来て……」
山上の必死の大声も虚しく、林はあたしに事情を全て話してくれた。
面白くて微笑みながら、あたしはここが病院だったことに初めて気づいた。
もうはっきりした視界から、真っ白な天井が見える。
あたしの隣で、機械音の一定のリズムが聴こえる。
よく見れば、山上も林も入院患者が着る服を着ていて、頭やら手やらに包帯が巻かれていた。
山上は、頭と手に。
林は、松葉杖をついていた。
それに、あたしは頭がじんじん痛んでいて、意識も少しはっきりしていない。
きっと、あの時、頭を打ったからだ。
山上は、眉間にしわを寄せてまだ赤い顔を隠そうとしながら、立ち上がって話し出す。
「……あの後、俺ら病院に運ばれてきたんだよ。俺はなんとなーく救急車に乗ったのを覚えてるし、憂亮は全部覚えてるらしいし。……ま、琴奈は覚えてないだろうけど」
「うん……覚えてない…かな」
思い出そうとしても、頭を打った時までしか記憶がない。
恐らく、意識を失っていたんだろうな。


