世界は変わらない (A・T)









 頭を打ち付けたからか、まだ朦朧とする意識の中で、

 あたしは、二人に手を伸ばしていた。


 二人とも、一度驚いた顔をした後、ほっと安心したように、優しく微笑んでくれた。




「よ、かったぁ…………生きてて」


 山上は、まるで全ての体力、気力を使い果たしたかのように、崩れるようにその場に座り込んで、下を向いた。


 その声は、震えていた。

 泣きそうになってるんだなって、分かった。

 それだけあたしを想ってくれていたことに、初めて気付けて、胸がほわぁ~と温かくなる。



「……たく、大星は焦りすぎなんだよ」


 そう言いながら林は、山上を見下ろしながら、馬鹿にしたようにフッといつもみたいに笑った。



「んなっ!!」


 それに言い返そうとして、山上は顔を勢いよく上げたけど、何も言えなかったんだろう。

 すぐにまた、恥ずかしそうに下を向いた。



 そんな二人を見ながらあたしは思った。


 憂亮も、あたしには十分焦ってるように見えたけどなぁ……って。




「ってか、いきなり病室飛び出して寝てる琴奈を起こすとか……」


「うっさい!!///」



 林は、口を手で覆いながらくすくす笑う。

 山上は、恥ずかしそうにしながら大声で怒る。




「どう、いうこと……?」