「なにため息吐いてんだよ」


 なんて言いながら、大星が来た。

 後ろには憂亮もいる。



 お前らのせいだよ!!


 ……まあ、いっか。





「じゃあ行ってきまーす!」


 あたしは玄関のドアを引いた。




「なあ、宿題やってきた?」


 大星がそう、あたしに問うた。


 あっ……。


 あたしの顔が青ざめていく。



「それって、まさか数学の……?」


「おう、そうだけど?」



 あ、あああああ!!


 数学の先生って言えば……。

 あたしの頭にハゲの怒った顔が浮かんだ。



「わ、忘れたーーっ!!」

 あたしはそう、叫んだ。


「えっ、マジで?数学の坂田ってめっちゃ怖いって有名じゃん……」


 大星は、焦るあたしを更に焦らせる言葉を吐く。