世界は変わらない (A・T)






 心にかかっていた黒い雲が、なくなっていく。


 大星のその言葉とあたしを抱きしめる腕が、あたしの不安を掻き消してくれた。





「ヒューヒュー!!」


「おい、リア充!!」


「ずるいぞーーーーっ!!」


「見せつけんなーー!!」




 周りの人からの大歓声が聴こえて、少し恥ずかしくなる。


 大星も恥ずかしいのか、小さい声で、

「告白、二回目だっつーの」

 と言った。



 そっと大星の腕が離れた時、顔の赤い大星と笑い合った。

 きっと、あたしもなんだろうな。







「ところで、あなたは?」


 隣で少し気まずそうにしている彼女に、あたしは視線を向ける。


 何故かあたしの名前知ってたし……



 彼女は待ってましたとでも言うように笑顔になって、

「私は野々宮華(ののみやはな)。大星の部活の先輩でっす☆いやぁ、大星からは琴奈ちゃんのこと何回か聞いてたんだよね。大星の琴奈ちゃんへの熱ーっい愛を……ね♪」


 その言葉を聞いて驚きながら大星を見ると、大星は赤い顔を必死に手で覆っていた。


 その姿が可愛くて、ついニヤけてしまう。