世界は変わらない (A・T)







 全部全部、嫌なの。


 そして大星に裏切られたって思ってしまうし。

 嫉妬だって、しちゃうし。


 ぐちゃぐちゃの心が、涙となって溢れ出る。



 そんなあたしに、可愛い声で、良い人みたいに、

「大丈夫?もしかして、あなたが琴奈ちゃん?」


「はい……そうですけど」




 なんで、この人あたしの名前を知ってるの?


 あたしにこんな可愛い知り合いなんていない。

 あたしの周りにいる美人は癒伊奈くらいだ。




 彼女の本気で心配しているような瞳は、汚いあたしの心を苦しませた。



「どうしたの?あ、大星がなにかした?」


 大星……こんなに近くにいたあたしでも、つい最近呼ぶようになったのに。

 大星を呼び捨てするくらい仲良いんだ……。



 泣いて声もきちんと出ないけどあたしは、

「あのっ……変な、ことを聞きますが……あな、たは大星の彼女さん…ですか?」


「ええ!違うよ!!もしかして、それで泣いて……?」


「そう、なのか?……琴奈、嫉妬してくれた!?」



 驚いた顔をする彼女。

 何故か喜ぶ大星。


 あたしを泣かせている原因の大星が喜んでいることに、あたしの中でプチッと何かの糸が切れた。