世界は変わらない (A・T)






 今日一日、何故か大星にドキッとすることが何度もあった。


 考えてみると、今日だけじゃなかった。

 それこそ幼い頃から、何度かあった気がする。


 ふとした瞬間に。




 でも、大星は幼なじみだ。


 よくある少女漫画でもあるまいし……。



 あたしが大星を好きになることなんて、あるはずが、ない。


 絶対。これは、昔から決定していることの、はずなんだ。




 今更何度も大星にときめいていることに気付き、戸惑ってしまう。





「琴って昔からすぐに顔赤くするよな。」


 なんて、今こんなにも昔のことを思い出して戸惑っているあたしの心を更に混乱させる言葉を、平然と大星は言った。




 それは、大星のせいだと思うけど、顔を赤くするってことは昔から……?


 いやいや、ないない。

 てか、昔からってことは今はもう……いや、違う。



 なんて、頭の中は混乱の渦に呑み込まれていくばかり。


 そんなあたしを不思議に思ったのだろう。


 大星は、

「琴?どうした?」


「ちょ、ちょっとトイレ」