世界は変わらない (A・T)






 昔から仲の良かった(?)あたしたち。

 まあ、一般にいう、〝幼なじみ〟みたいな感じかな?





 意地悪な山上。

 クールな林。


 あたしたちの関係は、ずっとこんな風に続くんだと、当たり前のように信じていた。

 大好きな家族に包まれ、大切な幼なじみとはしゃいで、たまにこうやってみんなで出掛けたりして。



 だって、この時はまだ、知らなかったから。


 ずっと続くものなんてないことを。

 当たり前なんて、ないことを。

 世界は、変わっていくものだということを。





「あーー!あたしのパンがぁ!!」


「ははっ、残念だったな」




 ついに、山上の胃の中へと消えてしまった、あたしのピザパン。

 ムカついたあたしは、山上のお母さん、楓さんにチクろうと思った。


 だから、前に座る楓さんとお母さんの間に顔を出したんだ。

 ………その時、だった。



「楓さん!聞いてよっ……」


 <キーーーーーッッ!!!>



「キャーーーー!!」


 あたしが話しかけた瞬間、突如車が急ブレーキをかけられ、大きく揺れ動いた。

 鼓膜が千切れそうなほど大きくて、うるさい音を出しながら。



 その時のあたしには、その状況を理解することは出来なくて、ただ、怖いとしか思えなかった。