そして、あたし達は水族館に。



「うわぁ、混んでるね……」


 夏だから、というのは関係あるのか分からないけど、水族館の中はかなり人で混雑していた。

 隣にいる大星を見上げるのがやっとだ。


「だな、俺から離れんじゃねぇぞ」


 大星はそう言いながら、あたしの手を握っている左手を少しだけ離してから、また。

「っ!?」


 今度は俗に言う、恋人繋ぎをしてきた。



 おい、待て!

 恋人繋ぎをする要素がどこにあんのよ!!


 そう思ったところで、あのセリフが思い起こされた。

『好きってことだよ』


 そ、そうだった。

 大星はあたしのこと……。


 大星がどんな顔をしているのか気になったあたしは、大星の顔を覗く。

 すると、ニヤニヤ笑うあたしと目が合った大星は途端に、プイッと顔を逸らした。


 頬が、ほんのり赤かった。



 わあ、可愛い♡


「フフッ」


 なんか、面白いな!


 と、ドSなあたしは思うのだった。