「あんたが悪いんでしょ!!」


 そう怒っているのに、あいつは。

「……ったく、お前も懲りないやつ♪」


 その{♪}がムカつく!!


 今日は女の子らしく白いワンピースにゆるっとしたカーディガン、オマケにカンカン帽にサンダルというコーディネートにしたのに、こいつのせいで似合わなく見えてしまうじゃないか。


 とりあえず家の外に出たあたし達は、階段を下りながら話す。


「てゆーか、どこ行くの?」


 そうだ、そこを聞いてなかった。

「あいつらは遊園地だろ?なら俺らは水族館だ!!」


 大星は得意げにそう言った。


 意味分かんない。

 なに、その考え。


 遊園地だったら水族館にするなんて、ちょっと頭壊れてるんじゃない?


 と思ってしまうけど、別に水族館でもいいか。



「分かった、行こう?」


 あたしがそう言うと、大星は満足げに笑ってあたしの手をひいた。


 もしかして、初めから計画していたのだろうか?

 大星はあたしを握る手と反対の手にチケットを二枚、握っていた。



 誘いたかったんなら、もっと前から誘えばいいのに。

 必死にたまたま感っていうのを装っている大星を見ていると、握られている手を振り払う気にはならなかった。