それから、30分後。


 着替え終わって玄関に行くと、腕を組んで壁に凭れかかっている大星があたしを睨んだ。

 そんなの気にしないあたしは、満面の笑みを見せる。


「お待たせー♪」


「遅ぇ……」

 大星は呆れた様にそう言った。


「だって、服なににしようか迷ったからぁ」


 なんてからかってみると、


「俺の為に?そこまでしなくてもー//」


 なんて、大星がわざとらしく照れた。

 その顔は、どこか悪戯に微笑んでいた。


 こいつ、あたしをからかってるな……?

 あたしは手に持っているバッグを思い切り振り上げ、それから大星の頭の上で思い切り振り下ろしてやった。


 見事、大星の頭にバッグが命中☆


「いてぇ!」

 大星は頭を抱えてそう叫んだ。



「んなわけないでしょ!バカ!!」


 このドアホ!!



 大星は少し涙目になりながらまた体勢を戻し、


「ったく……ちーっとは可愛くなれ。バカバカうるせぇ。まあ、そんなお前も可愛いけどな?」


 なんて、またフザけたことを言ってきたので。


 はい、もう一発。



「いてぇって!」