……そして、憂亮と癒伊奈は、
「えーーっ!!癒伊奈、今日デートなの!?」
『ごめんね~!遊園地だからお土産あげるし♪」
携帯電話の中で、癒伊奈の幸せそうな声が聞こえる。
お土産より癒伊奈が欲しいよ……!
そう思ってるところで、電話が切れた。
準備やらなんやらできっと癒伊奈も忙しいのだろう。
「んじゃ、行ってきます」
憂亮が靴を履き終わり、そう声にした。
あたし達三人は憂亮を見送るため、玄関に来ていた。
っていうか、あたしは、起きたてで癒伊奈と電話しながら部屋から出てくると目の前にある玄関に二人が偶然いた、的な。
「憂亮ずるい!」
気づけばそう口にしていた。
「はあ?」
憂亮はいきなりそんなことを言ったあたしを、変なものを見るように見た。
大星も呆れた様に見ている。
こんなの八つ当たりだって分かってる。
……けど。


