聞き取れないほどの小さな声だったし、あり得ない話ではない。


 途切れてた…だけだったら……

 もしかして、ゆなじゃなくて、癒伊奈!?



 憂亮の好きな人って、

「憂亮、癒伊奈が好きだったの!?」



 マジで!?



 大星はさっきとは打って変わって、悪戯にニッコリと微笑んだ。


「絶対告白するよな。上手くいくかなぁ、憂亮の癒伊奈ちゃんへの告白♪」



 大星はあたしの質問に頷きはしなかったけど、その言葉で二人が両思いだということが分かった。


 すると、あたしも安心して、つい頬が緩む。


 なんかあたしの話は消えちゃったけど、嬉しいな。

 あたしは大星の言葉に答えた。


 そりゃあ、

「いくよ。だって、癒伊奈は憂亮が好きなんだから」




 あたしはそう言いながら二人が走って行った方向を見つめた。