世界は変わらない (A・T)







 んっ?


 今、あたしの救われた心を一気に壊す声が聴こえた気が……。


 ムカついたあたしは、机にうな垂れていた顔をバッと勢いよく上げて、

「なに勝手に会話に入ってきてんのよ!ってか誰!?」

 周りを見渡す。


 ほんっとムカつく!


「俺だよ、どこ見てんの?」


 その声に顔を向けた。


 なんだ、誰かと思ったらクール野郎じゃん。

 いつからいてたの!?


 てか、なにが可笑しいのさ!


 あんただって……

「そういうあんたはいるわけ?てか恋したことあんの!?」


 いつも女嫌いだって言ってんじゃん!!

 だからそんな態度なんでしょ?


 しかし、憂亮から返って来た言葉は意外で。


「ある……てか、いる……」


 あたしは思いっ切り口を開けたまま固まってしまった。

 隣にいる癒伊奈も、驚いている様子だった。


 憂亮はほんの少し顔を赤らめていて、それが本当なのだと示していた。



「な、じゃあなんで?」


「うん、女の子嫌いだったんじゃ……」



 あたしと癒伊奈は同じことを考えていたようで、つい、そう聞いてしまう。