世界は変わらない (A・T)






「そこじゃなくて、どうしよ……。ってか、そもそも恋って?」


 あたしははぁーとため息を吐きながら、机にうな垂れる。


 そう、そもそもここなんだよな。


「ドキッとしたり、キュンッってしたり、ちょっと苦しくなったり……とかが恋だよ!」

 癒伊奈の言葉を、頑張って今までの記憶と重ねる。


 うーん………ないな。

 うん、ないない。


 大星以外でもない。



「ないな。」


「マジ?嘘っ!?」


 あたしがそう言うと、癒伊奈はあり得ないと言うように大きく驚いた。


 驚かないで!

 悲しくなるじゃんか!


 そう、あたしはまず、恋したことがない。


 終わってる。

 確実に終わってる女子、琴奈。17歳。



「もぅ……あたし、可笑しい?」


 中学に入ってから、周りのみんなは恋の話ばっかするようになった。

 その時も大星、憂亮とバカやってたあたしには、その場にいるだけでも辛かったのをよく覚えてる。


 そんなあたしに恋のキューピットちゃんは無関心で、高校に入っても憧れの〝恋〟ってやつはやってはこなかったのだ。



「いや!可笑しくないよ!!だって、出会いがないだけでしょ?しょうがないよ」


 癒伊奈は優しくあたしをフォローしてくれた。

 グッジョブ、癒伊奈。


 癒伊奈に救われていると、



「可笑しいだろ」