「普通……だったし」


 あたしは目を泳がせた。


 本当に、いつから好き?だったのかは知らないけど、気付かなかった。

 その、全く変化したりとかなかったし。

 ちょっと変になったり、態度変わったりしたことがなかったし。



「んで?返事は?」


 大星はあたしがこんなにも焦ってるのに平気そうにそう聞いてくる。


「………。」


 うーん……今までそんな風に大星のことみてなかったし……。


 これから、そんな風に見れる?

 あたしと大星と憂亮の関係は?

 今断ったら、大星とギクシャクしない?


 なんて、一人で考え込んでいると。


「……あのさ、黙ってないでなんか言えば?あと、無理にOKすんな。さきに言っとくけど、そっちのほうが嫌だから。……別に、幼なじみのままでもいいし」


 大星にはきっと敵わないって思った。

 あたしの思いを、考えてることを、ちゃんと見抜いてくれる。


 優しく微笑む大星にあたしは、

「考えさせて」

 と言った。


 だって、分かんないんだもん。

 好きっていうか、意識すらしてなかったから。


 一度大星のことをそういう風に意識してみて、ちゃんと考えたいって思ったから。

 大星は、大切な幼なじみだから。