そんなこんなで、あたし達全員が通っている学校へ着いた。


 門に入ろうか、としている時だった。

 大星が徐に話し出す。



「な、なあ琴。今日の放課後空いてる?…俺、相談してぇことがあるんだけど……」


 その言葉を聞いて、あたしは驚いてしまった。

 あまりにも真剣な大星に。

 こう言っちゃあ悪いと思うけど、普段何も考えてなさそうな大星が相談?


 あたしは戸惑いながら答える。

「いいけど……憂亮は?」


「二人で……よろしく!!」



 憂亮に話を振るあたしを止めて、大星は走って先に校門の中に消えて行った。

 いつも通り、女子の悲鳴が聴こえる。



 なんだ、こいつ。

 可笑しいでしょ。


 ポカーンと大星の残像を見つめて突っ立っているあたしをよそに、

「顔赤いし……バレるって!」

 とか、笑いながらぬかす憂亮の言葉に、余計に意味が分からなくなった。