世界は変わらない (A・T)










「お、かあさん……?ね、え」



 声を掛けても、手を握っても。

 冷たい体と現実だけしか、返っては来なかった。




「……お気の毒です。」


 中橋刑事はそう、たった一言口にした後、また話を続ける。


 曖昧な記憶の中で、なんとか聞き取った、死亡の理由と、事故について。





 お母さんは事故で頭を強打し、即死だったみたい。

 他のみんなも、ガラスが刺さっただとか……でも、やっぱり一番の原因は頭を打ったことだった。



 事故の原因は、あたし達にぶつかってきた車の持ち主が無免許なのに運転をして、ブレーキとアクセルを踏み間違えたからだそう。



 この言葉を聞いて、あたしは殺意が沸いた。


 許せなかった。

 最低だと思った。


 馬鹿な奴の遊び半分の行動のせいで、あたしのお母さん達は……っ!


 そう思うと、どうしても。