世界は変わらない (A・T)







 だけど、何故だろう。


 言葉が、出ない。

 はい、っていう簡単な言葉が。


 重たい口が、どうしても開いてくれない。



 まるで、聞きたくないって言っているよう。

 真実を知りたくないって、嘘だって、否定してる。





 そんなあたしに代わって、


「あい、ます……」

 山上が、震えた小さな声でそう言った。












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 それから、あたしはゆっくりと立ち上がって、病室を後にした。


 あたし達は一言も喋らずにエレベータに乗って地下へと向かった。



 <霊安室>


 その文字を見た時、息が詰まって、呼吸の仕方を忘れてしまった。


 それでも、どうしても思ってしまう。


 全ての言葉が、

 全ての状況が、

 全ての人が、

 真実を物語っていたのに。