世界は変わらない (A・T)









 そこで、病室のドアがガラッと開いた。



「あっ、皆さんお揃いだったんですか……」


 そう声を発したのは、スーツ姿の若い男の人だった。

 がっしりとした体格のいいその人は、正義感が強そうで、まさに刑事そのものだった。


 あたし達はさっきまでの重い空気を少し残したまま、刑事さんを見た。



 その刑事さんの後ろから、今度もスーツを着た40歳くらいの男の人も入ってきた。

 あとに続くように、看護師さんも入ってくる。



「ああ、よかった。急に二人ともいなくなったので心配したんですよ」


 看護師さんはそう言って優しく微笑んだ。

 きっと、山上と林に話しかけているんだろう。



「あ、すんません」

 山上は、はっとしたようにそう謝った。



「前川さんも、目を覚まされたんですね」


 看護師さんは次に、あたしに話を振ってきた。

 あたしは一瞬驚いたが、すぐに首を縦に振って質問に応えた。



 看護師さんは刑事さんたちを見て、

「先にいいですか」

 と言って、刑事さんが許可を出してから、あたしに近づく。



「痛い所はありますか?」


「少し頭が痛いです」


「なるほど。事故で頭を強く打ってますからね…すぐに治ると思いますよ。他に気になることは?」