キーンコーン―――
「柊くん、帰ろ~!」
「うわぁ!ビックリした~……」
冬の寒い日、そう言って勢いよく俺に抱き付いてくる彼女。
「えへへ、ごめんね」
「はぁ~……もう、愛維(うい)ちゃんってば可愛すぎなんだってば……」
彼女をぎゅーっと抱きしめる。
俺は桜田柊矢(さくらだしゅうや)。
高校2年の普通の男子高校生。
そして崎本愛維(さきもとうい)ちゃん。
小さくて可愛くて天然な俺の彼女。
俺と愛維ちゃんは付き合って1ヵ月になる。
「も~……柊くん、苦しいよ~」
あぁ、なんて幸せなんだろうか。
もうこのままずっと愛維ちゃんをぎゅーってしていたい。
「ごめんごめん、じゃ、帰ろっか」
「うんっ」
俺と愛維ちゃんはみんなの公認カップル。
バカップルと言われるのも珍しくない。