「ねぇ、あんた蒼井君に冷たくない?」
教室に戻ってそうそう何を言うんだ。
「そんなことないよ!ちゃんと感情こめてるよ?!」
「なんだろ、恋人感?蒼井君はあんなに顔赤くして喋ってるのに、あんた友達と話してるみたいじゃん」
そんなこと言われても…
「恋人と話すときと友達と話すときの違いって何なの?」
私にはそれがわからない。
「そんなの自然とじゃないの?意識してれば話し方も自然と変わるものよ」
意識してれば、自然と…。
それじゃあ私は、
「私はまだ恋人として意識してないのかな」
「そうかもね」
休み時間の終わりを告げるチャイムが響いた。