彼女の非道


そこには血だらけの母の姿があった。


「お、かぁ…さん?」


読んでもビクともしない。


一瞬時が止まったようにゆっくりになった。


思考が追いつかなかった。


この部屋でまた一人の命がなくなった。


ただ呆然と見つめていた。


母の横たわった姿。


涙なんてでなかった。