こんな時には、必ず頭を撫でてくれた大きな手が 耳をくすぐる低い笑い声が 「好き、好きや…」 ちょっとおどけたような口調も ふと見せる真剣な横顔も 「………好き…っ。」 ごめん、 意地っ張りが邪魔してた。 ただそれが言えなくて。 好きやで、 恥ずかしくて くすぐったくて ただそれを返せなくて。 "自分"を崩すんが怖かった。 …こんなに好きやのに。