「…あほ。」

呟いた声は、
真っ暗な闇に吸い込まれてった。

――悪口。――


あれからどれくらい経ったんだろうか。

もう分からない、
解りたくない。

出て行った後ろ姿に、振り返って欲しいなんて思ったけど。

最後まで優しい貴方はドアをゆっくりと閉めた。
まるで怒りさえ、
まるで悲しみさえないように。

自分勝手やんな、そんな様子にあたしはめっちゃ哀しくなった。