哀恋 アイレン

それ以上言わんとってや…

「ずっと…好きやったよ。」

あぁ、そうやったんや。

ふと、気づいてしまった自分に苦笑いを浮かべた。

好き、の一言に
過去形なその言葉に

切なくなるこの感情が何か…分かってもた。

走って行く後ろ姿に、一筋涙が溢れる。

「好きや…。」

雨に濡れたその髪の毛も
身体も
表情も、

全てが俺に
"寂しい"と語っていた。