だって好きだから(短編)








「なんで謝るの?」



「なんとなくー」




今度は前からミナの身体を包み込む

ミナの身体は特別小さいわけではないから
頭の上に顎をのせるなんてことできない





その代わりミナの首筋に顔を簡単に埋められる






「ちょっ…優くん!くすぐったいよ」





ほんとにくすぐったそうに声をあげるミナなんてお構いなしに


俺はミナの匂いに誘われ、さらに顔を沈める





「ミナのことなめてたわ」



「はい?」





そう、この表現が正しい



俺はミナのこと好きだけど、
手を出すとか出さないとか
そういうレベルの愛じゃなくて
兄妹とか家族並みの愛情を注いでた





だからからか、隣に居るだけで満足したし、ミナも求めてこないからいいやって錯覚してた。





だって目の前のミナはこんなにも一人の女性だった。



男の俺よりはもちろん小さな身体で、

男の俺にはない柔らかさがあって、



そんなミナが今はひたすら欲しい






「俺も男なんだよなあ」





思わず考えてたことがこぼれると





「優くんなにいってんの?」






と、不思議そうな顔をされる