だって好きだから(短編)







「優くん」




こっちを向かないでミナが俺の名前を呼ぶ。



小さい頃からわからない、ミナだけが呼ぶ優くんというあだ名。




普段一度ごねると頑固な幼なじみが、案外簡単に口を開いてくれたことにとりあえず安堵する






「なに?」






またさっきと同じようにやさしく刺激しないように返事をすると








「私って魅力ないの?」







なんて、



肩を震わせながら言うんだ。