ランチタイムが終わると、
私達は各教室に戻って行く。

『七瀬!ちょっと、来て!』
「えっ、なに?どうしたの?」

そこには、スマホを開きながら絶叫する
親友の高倉 秋(Aki Takakura)がいた。
見せられたスマホには、
秋の元彼氏くんからのメッセージが。

【 今日の放課後、会えないかな? 】

「は?こいつ、なに?」
『どうしよう。私、行こうかな』
「いや、ちょっと待って
 秋さ、まだ連絡先消してなかったの?」
『なんかあったときにね!』

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放課後、秋は少し緊張したような面持ちで待ち合わせ場所に向かって行った。

「なに、高倉。彼氏でもできたの?」
「葵には関係無いでしょ?
 ささ!練習行こう」
「はいはい、」

それから、部室に向かい
私は練習中の水分補給に必要なものを揃えていた。


「また、やる気ない‥」

練習中の葵を観ると、
ため息が出るくらいの練習振り。

中学のときは、一生懸命やっていた野球も今では蔑ろになって、真面目に野球に取り組む姿は高校生になってから私は見たことが無い。

ずーっと一緒にいた私でもわからない。
なぜ、葵がそうなったのか。