「くっだらね…」 思わず口に出して呟き、ポケットから煙草の箱を取り出す 「煙草は止めた方がいい」 「…あ?」 「茉莉ちゃんが悲しむからさ」 いつの間にか直樹もフェンス越しにグラウンドを見つめていた 「アイツは関係ないだろ」 「ぇ、まだ告ってないの?」 何だよ、“まだ”って……… まるで俺があの女に惚れてるみたいじゃねぇか…… 「勝手に話を進めんなよ」 そう言い返し俺は缶コーヒーを飲み干す 「だって好きなんだろ?」