翼side



ーキーンコーンカーンコーン



昼休みが始まるチャイムの音が校舎中に鳴り響く



次第にガヤガヤと騒がしくなる校舎も屋上に居るからか、そんなに気にならない



今日も相変わらず俺は授業をサボり
屋上でアスファルトに仰向けになり
空を眺める


秋晴れだな……


さらりと心地よい風が俺の髪を揺らす


どこからかふわりと香ってくる金木犀の匂い



昔からどちらと言えば好きな香りなんだよな…



キィ…


ゆっくりと開いた屋上のドアに俺は身体を起こす



「やっぱりここに居たんだ」



そう言って近付いて来るのは直樹だった