「本当、やな奴だよね(笑)
どんな女の子も一瞬で惚れさせといて
当の本人は自覚してない上に責任放棄なんだからさ」
「…………」
あたし、自分の事ばっかりで……
そう自己嫌悪している時だった
「後さ…『笑えないよ』って言ってたけど
茉莉ちゃんの気持ちも分かるよ。
俺も中学の時にずっと奈々に片想いしてたんだけど、さっきも言った通り奈々は翼に夢中だし翼は相手にしないし俺が奈々にアプローチしても相手にされないし…複雑な三角関係だったんだ…」
そう言って直くんは『まぁ、今ではいい思い出だから笑って話せるのかな…
だから茉莉ちゃんの気持ちも分かるよ』と続けて少し寂しそうに笑った
「直くん……」
「ぁ、来たよ。茉莉ちゃんの王子様」
そう言われて振り返ると翼が走ってくるのが見えた
「じゃぁ、またね」
そう言ってニコッと笑って直くんは帰って行く
