なんとかギリギリで間に合った私達は走ることに必死で周りの目なんか気にせず手を繋いだまま登校してしまい大変だった。

「んー?あっ、おーはーよっ!ゆうちん平気?」

「どーせ またアンタの遅刻でしょ?」

愛唯ちゃん朝から天使だなー。
に、対して鬼だよ。泉様よ。

「なにが鬼なのよ。事実でしょ?」

あれ?聞こえてた?あれ?え?

「さっきから丸聞こえだよ?」

私ってそんなヤバイ奴?痛いやつ?

「とりあえずいい加減喋れば?」

「そうだね。てか今日も見事な毒舌っぷりで。」

毒舌を吐き散らすのは深川泉
そして、ふわふわしてるのが新谷愛唯ちゃん

2人とも私の大事な親友。タイプは全然違うけどね。

「ねぇねぇ、てかさ中3にもなって幼なじみと手つなぎ登校する?てかそそこまでしといてなんで 景斗君は好きって言わないわけ!?」

「んー?確かにー!でもー……景斗君って同じクラスに好きな子いるって噂あるよね…………あ!でも私は ゆうちん のが好きだよ?」

ありがとう。と言うべきなのか……とても悩ませる ふわふわ愛唯ちゃんである。

「クラス離れても仲良いってかイチャイチャin校内してるからさー もう付き合えばいーのに」

そんなことできないよって言いかけたその時 誰かに呼ばれた。

「ゆうちゃん!柊さんが呼んでるよ?」

はぁ、恋愛漫画定番の呼び出しね。柊さんってけいちゃんと同じクラスだもんね。はいはい。

とか考えながら重たく感じた体を立たせて

「今行くー」

と生半可な返事をして歩き出した。