「俺さぁ…こっちじゃ昔
男女問わずにいじめられてたじゃん」
『うん』
あれは酷かったなぁ
孤児院にいるってだけで
一方的にりおくんをいじめるんだから
「でも、新しい両親から
服とか物とか
たくさん買ってもらって
普通の転校生として
転向してったんだけど…」
『…けど?』
「なんつーか…
女子の態度が全然違って…
俺の周りにまとわりついてくる感じ?
こっちの女子と転向先の女子の落差についてけなくて
ほとんどの女子に幻滅したというか…
まとわりついてくる女子も、
俺が孤児だって知ったら
手のひら返したりするんだろうなーって
思ったら…受け付けなかった」
『…りおくん、
元々格好良かったから。
あのいじめてた女子も、
りおくんに構ってほしくていじめてたんだと思うよ』
「まぁ、想像はつく。
だから、元々俺が孤児だって知ってて仲良くしてくれたのは
ちよだけだったから…
転向しても、
ちよに会いたいってずっと思ってた」
『…そっか』
…こんなに想っててくれたのに
なんで私は忘れてたんだろう
申し訳なさで、胸が痛んだ

