『ねぇ…なんで昨日、来なかったの。』 シンっとした空間の中で、私は携帯をいじる裕弥に向かっていった。 「なんでって。メールで上司と飲みに行くって言ったじゃん。」 裕弥はそう、そっけなく言うとガタンと立ち上がって寝室へ向かった。 私はそれを追いかけるように、リビングから出るとゆっくりと口を開いた。 『だって私……』 “裕弥が知らない女の人と歩いているの見ちゃったんだもん。” そう言いたかったけど、言葉が喉につっかかってうまくでてこなかった。