「え、えとっ、あの…」 素直に言うのもなんだか気恥ずかしく、返答に困っていると、クスリと微笑して、先輩は私の前へと歩み寄った。 その笑みが心なしかイタズラっぽく見えたのは気のせいだろうか…。 焦る私に、問い詰めるように先輩は言う。 「なんで?部活のときは緊張してないじゃん」 そう言いながら髪をすく仕草をされ、緊張のボルテージは勿論、羞恥のメーターも吹っ切れた。 「あ、やっ!え!あの、の、…!」 ついに日本語を喋れなくなってしまった私に堪えきれなくなったかのように先輩は吹き出した。