探るように鳴っていた足音がピタッと止んだのは、私の突っ伏している机の、隣の席だった。 見つかってしまったことと、先輩がすぐ近くにいるドキドキが、静寂した教室の空気を揺らすように、大きく鳴り響いていた。 そして先輩は、隣の席に座った。 腕と顔の隙間から、先輩が私と同じように、顔を突っ伏しているのが見て分かった。 「…久しぶりだね、穂和ちゃん」