卑怯で姑息な手に、悔しさから目に溜まるものを感じたが、ぐっと堪え、一気に飲み込む。







こんなんで負けているようじゃ、先輩の彼女なんてつとまらない…。



そう決心するものの、心のわだかまりはとれなかった。





いつも何処かで感じていたこと。





先輩と私、釣り合っているのかな…。







「……………負けない…っ」





これを乗り越えれられれば、先輩に似合う彼女になれる。




だから、泣いてなんかいられないんだ…いや、もう涙は流さない。





そう決意し、固く拳を握りしめたところで、授業のチャイムが鳴った。









戦いの始まりを告げる合図のように────。