「…すき…」




「…え?」







だけど、そんな先輩も好き…。




爽やかなところも、なのに意地悪なところも、私を困らせては優しく笑うところも含めて、ぜんぶ、全部、好き。





そう思うと、何だか急に甘えたくなってしまい、丁度目の前にあった先輩の腕に抱きついてしまった。
 






「…え…と、穂和ちゃん?」




「…先輩…好き」






想えば想うほど、先輩を抱き締めたくなる。近くにいたい。








─ギュウ




「先輩…」




「…、…っ~~、…こーら…」




妙に焦った顔で、だけど言動に出すことはなくいつも通りの優しい物腰の柔らかい言い方で私にそう言った。





「……」





だけど、先輩に拒否されたことのない私にとってはそれが初の拒絶反応で、思わず不満が顔に出てしまう。


不満…じゃない。多分…悲しいんだ…先輩に拒否されて。






「……っ、あーもう!」


「!」