その後、お茶も淹れて、夏だから冷茶にしようと、先輩が提案し、夏らしく氷を入れて、水滴のついたコップを運び、ソファーに腰をかけた。
「お茶ありがとうね。穂和ちゃんは気が利くよね」
よしよしというように頭をぽんぽんされ、恥ずかしい気持ちやら嬉しい気持ちやらで胸がいっぱいになる。
「ふふっ、かわいい」
「…っ」
いっつも思うけれど、先輩は普段と甘々の緩急の付け方というか、スイッチの入れ替わりが急だから、先輩の一挙一動にすごくドキドキしてしまう。
今だってそう。急にかわいい、なんて言われ、胸の鼓動は激しくなるばかり。
なのに、先輩は涼しい顔して、微笑んでいるから、もうどうしようもなくなって、私に出来ることはただ赤くなった顔を先輩にバレないように俯かせることだけ。
本当に恥ずかしいし、ちょっと困るけれど。
だけど…。



