夢瞳side









爽「で、あんた今日

  テスト返ってきたわけ?」







部屋で寛いでいると、

ドアの向こうで先輩の声がした。







夢瞳「あ、はい!」


爽「見せろ」







急いでテスト用紙を持って、

ドアを開けた。







勢いが良すぎて、

爽先輩の肘にゴツンッ!







爽「いってーな! てか俺、

  コーヒー持ってんの! あぶねぇだろ」


夢瞳「すいません―…」


爽「……で、平均は?」







爽先輩が、コーヒーを

口にしながら問いかけた。







夢瞳「27です」


爽「…ゲホッゲホッ!」







むせてしまった。







爽「あんた……何者だよ」


夢瞳「いつもと変化なしですけどね!」


爽「…一番点が高かった教科は?」


夢瞳「英語です」







爽先輩が、またむせた。







爽「―――な、何点だよ」


夢瞳「安定の100でしたっ♪」







爽先輩はとうとう

床に、コーヒーを

吹き出してしまった。







爽「100!? 安定!?」


夢瞳「あたし、英語しか勉強したことないんです」


爽「……どんなシステムだよ」







足元では、執事が

必死にコーヒーを拭き取る。







爽「明日の放課後、一緒に勉強すんぞ」


夢瞳「…え?」







爽先輩の表情は見えない。







爽「―――英語以外、な」