夢瞳side









初めて打ち明ける事実。







夢瞳「でも、ほんとは

   そんなの嘘で―…」







ずっとずっと1人で―…







遊び相手は居なくて―…







常にお父さんと

お母さんのこと、考えた。







2人に会いたくて、







英語もたくさん勉強した。







向こうでたくさん

喋れるように―…







英語いっぱい喋る

あたしを、お父さんと

お母さんが褒めてくれるように―…







あたしの目から、

一筋の涙がこぼれた。







でも、

突きつけられた真実は―…







夢瞳「___お父さんと

   お母さんは、随分前に

   亡くなってたんで―…」







語尾を言う前に、

ふわりと何かに包まれた。







爽先輩の香りだった。







夢瞳「―――先輩…」







爽「もう何も言うな」







いつも強引な爽先輩。







爽「打ち明けてくれて、

  ありがとな___」







優しいとこだってある。







我慢していた自分が、

開放された気分だった。







夢瞳「うわあぁぁぁぁああぁん!」


爽「ちょ…っと待て、

  声デカす―…」







そうだ、

ここは道の真ん中。←







行き交う人々が、

全員あたしに目を向けた。







夢瞳「ぜんばいっで

   やざしいんでずねぇ!!」


爽「何言ってるか

  解んねぇしwww」







そう言いながら、

あたしの頬の涙を

爽先輩は優しく拭った。