爽side









無邪気な女が、

チョコレートのようなドアを、

勢いよく開けた。







夢瞳「あ、この人知ってる!」


執事「友人の方ですか?」


夢瞳「友人じゃないけど」







こいつ、朝の―…







夢瞳「こんばんは! 爽先輩!」







ただでさえ居候なんて

嫌なのに、

相手がこいつなんて___。







早速家に通されて、

白い大理石張りの

リビングのソファに座った。







爽「あんた、名前なんていうの」


夢瞳「白鳥夢瞳と申します!」


爽「へぇ」







何でこんな大きい家に、

高校生が1人で住んでるんだ?







夢瞳「爽先輩の上の名前は、

   鈴原さんですよね!」


爽「…そうだけど」


夢瞳「かしこまりっ!」







いまいち、

テンションについていけない。







夢瞳「爽先輩の部屋は2階です!」







俺の大量の荷物を、

隣にいた執事が抱えた。







夢瞳「ドア開けてるんで、

   すぐ解ると思います!」


爽「おう」







クローゼットと、新品のデスク、

そして大きなベッドがある、部屋に







自分の荷物を運び入れた。







するとSNSで

龍友からメッセージが。







龍友:引越し終わった?

爽:なんとかな

龍友:お、じゃあまた遊びに行くわ!







返事を打とうとすると、

1階からいい香りが漂ってきた。







爽「…ん?」







つられるように、1階へ降りると

食卓にたくさんの

料理が並べられてあった。







爽「すげぇ…」


執事「爽様、頂きましょう」







立派な椅子に座って、

俺は美味しい料理で、

腹を満たした。