夢瞳side









夢瞳「ただいまー!」


執事「おかえりなさいませ」







お母さんもお父さんも、

あたしが小さい頃に

多額の遺産と

この大豪邸を残して他界。







今は自由な生活を送っている途中。








ソファに倒れこむと、携帯が鳴った。







お母さんのお姉ちゃんからだった。







夢瞳「もしもーし!」


叔母「夢瞳ちゃん、元気?」


夢瞳「超元気!」







元気よく返事をした。







叔母「夢瞳ちゃん、鈴原爽くんって知ってる?」


夢瞳「んー、聞いたことあるなぁ…」







少しの時間頭を抱えた。







夢瞳「解んないや!」


叔母「そっか。夢瞳ちゃんと

   同じ高校で、

   一つ上の先輩らしいんだけどね」


夢瞳「その人がどうかしたの?」


叔母「あ、その子のお母さんね、

   私の知り合いなんだけど
 
   爽くんのご両親ね、

   海外にお仕事に行くから」







ふむふむ。







叔母「爽くんを夢瞳ちゃんの家に、

   居候させてあげて欲しいの」


夢瞳「居候!」


叔母「もうすぐ爽くんが、

   タクシーで夢瞳ちゃんの家行くから

   仲良くするのよ♪」







え___。







叔母「じゃあ、勉強頑張ってね!」







―――ツーツー…







一方的に切れた電話。







夢瞳「…もうすぐ来るって___」







急いで空き部屋の準備をして、

脱ぎ散らかしてある服を

執事と一緒に、片付けた。








時計を見ると6時。







夢瞳「ヤバい! 来そうな予感!」







オドオドしていると、

家のチャイムが鳴った。







インターホンを覗くと、

そこには見覚えのある顔があった。







夢瞳「どうぞ♪」







庭のガレージと、ドアを開けると







爽先輩の正体が







ハッキリと解ってしまった。